八幡宮と大銀杏(石段左)
●概要&歴史
平安時代後期1063年(康安6)源頼義が前九年の役での戦勝を感謝し、京都石清水八幡宮を鎌倉材木座に勧請したのが始まり。その後1180年(治承4)源頼朝が鎌倉入りするとともに政権整備の中心地として現在地に移した。主祭神は応神天皇、比売神、神功皇后の三体。明治までの神仏混合で八幡宮寺とも呼ばれていたこともあり、白旗神社の所には薬師堂があったといわれる。
初詣の混雑は全国的に有名だが、例大祭(流鏑馬)、雪洞まつり、静の舞などでも毎年多くの参拝客が訪れる。
●見どころ
段葛:二の鳥居と三の鳥居の間を結ぶ約700mの参道。盛土によって一段高くなっていて、かつ参道両側にツツジと桜の並木が続くため、両脇に車道が並行するにも関わらず、隔絶された厳かな気分が保たれている。
扁額:長い石段を登ると本宮がある。その楼門の前で「八幡宮」の扁額をよく見てみよう。「八」の字がハトになっている。その両脇に祀られているのが、左大臣・右大臣の随神。向かって左が櫛磐間戸神、右が豊磐間戸神。
太鼓橋:アーチ状の橋で勾配がきつくツルツルすべるので昔は子供の格好の遊び場だった。今は立入禁止。
大銀杏:本宮に至る石段の左脇にある一説に樹齢1000年以上ともいう大銀杏。北条氏の陰謀により、頼朝の孫公暁がこの銀杏の陰に潜み、三代将軍源実朝に斬りつけ殺害したという伝説の木。公暁自らも捕縛され自害させられたため源氏の血統は途絶え、以後北条氏の独裁が始まる。
●建築&美術
若宮:国指定重文。権現造。由来は古く創建時にさかのぼるが、現在の社殿は1624年(寛永1)建設のもの。江戸初期の建築様式を鑑賞できる。
丸山稲荷社:国指定重文。一間社流造。本宮脇にある。
国宝館:鎌倉の寺社の多くが貴重な寺宝を、万が一の災難に備えてここに寄託しているので、国宝・重文も含め文化財の宝庫である。
仁王門:現在はないが、参道中央あたりに一段高くなっているところにあった。仁王像は扇ヶ谷の寿福寺に祀られているが、拝観はできない。
白旗神社:源頼家が父頼朝の霊を祀るために創建した。
|