長谷寺
●概要&歴史
浄土宗。通称長谷観音。伝承では736年(天平8)藤原鎌足の子房前が徳道上人を開山に創建。721年(養老5)徳道上人が1本の霊木から2体の十一面観音像を彫り、うち1体を縁のあるところへと海へ流した。その一体が相模国長井に漂着し鎌倉に移され祀られたのが始まりという。
板東三十三観音の第4番札所で古くから庶民の信仰があつく、観光客より参拝客でいつもにぎわっている。高台にあり相模湾を一望でき見晴らしが素晴らしい。
●見どころ
弁天窟:弁天堂の裏にある。弘法大師が籠もって彫ったという弁財天と十六童士が壁面に並ぶ。
地蔵堂:このお堂の周りには水子供養のための夥しい数の小さな地蔵菩薩像が並んでいる。
経蔵:輪蔵という回転式の書架があり、一回転で中に納められた一切経を一回読んだのと同じ功徳があるという。
●建築&美術
長谷観音:像高9.18mの十一面観音像。漆箔張り寄木造り。室町期まず足利尊氏によって金箔が施され、さらに3代将軍足利義満によって光背が納められたという。右手に錫杖、左手に蓮華をさした華瓶をもつ特殊な姿をもち、衆生救済の地蔵菩薩と現世利益の観音菩薩の能力を併せもつといわれる。
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